「クラフトマンシップ」 部門賞
自然の中に“人間の知恵”を 見つけた時ほど感動できる瞬間はない
人類史のほとんどで、人は自然界と生きてきた。だから自然の中に“人間の知恵”が感じられた時、特別な感動を覚える。人類が地球環境を生き抜き、共生し、幸せを手に入れる過程を本能で思い出すからだろう。中でも酒は、自然を素材に知恵を絞った人間の傑作。とりわけウイスキーの蒸溜所はそこが生命線で、自然なしには音楽も絵画も生まれなかったように、シングルモルトウイスキーも自然がなければ存在しないのだ。だから世界でも稀有な“森の蒸溜所”には“、手付かずの自然”では得られない真に心地よい感動を覚えるのである。山梨県北杜市、標高約700メートル、約82 万平方メートルの広大な森に抱かれた白州蒸溜所は、言うならば奇跡的な天然のディスティラリー(蒸溜所)。日本が誇る南アルプスの山々に降り注いだ雨雪が、約20 年かけて自然のフィルターをくぐり抜けて濾過された軟水は、白州にまろやかさと清冽をもたらす。また、深い森が香味を、澄み切った大気が透明感を与えて生まれる原酒は、熟成しても決して清らかさを失わない。そんな自然と人のドラマチックな共同制作を愛でるように、白州をテイスティングするのは、それ自体が一つの悦楽。清流のせせらぎ、鳥たちのさえずりも含め、圧倒的なクラフトマンシップを讃えたい。
お問い合わせ先
サントリー株式会社(0551-35-2211)
https://www.suntory.co.jp/※掲載内容は、すべて2024年5月雑誌発売当時のデータです。