東京都庭園美術館 - 洋の東西の融合が織りなす優美な邸宅でのアート体験 | JAXURY AWARD 2024 | 講談社
JAXURY AWARD 2024

「唯一無二」 部門賞

東京都庭園美術館

本館はモダニズム様式。今夏は、大正ロマンの芸術家・竹久夢二の世界に染まる。「憩い(女)」(昭和初期 絹本着色 夢二郷土美術館蔵)。1933年当時の朝香宮邸正面玄関。ラリックがデザインしたガラスレリーフ扉。

洋の東西の融合が織りなす優美な邸宅でのアート体験

都内の閑静なエリア、白金台。自然教育園に連なる背の高い木々に囲まれた白く重厚な邸宅、東京都庭園美術館の歴史は、今から約90年前、皇族の朝香宮邸として始まった。朝香宮鳩彦王と允子妃は、1920年代のパリに2年半暮らすなかで、直線的でリズミカルな芸術様式、アール・デコの虜に。帰国後、自邸の建築のため、フランスの著名デザイナー、アンリ・ラパンに室内装飾を依頼した。ラパンは、ガラス工芸家のルネ・ラリックらデザイナー仲間にも声をかけ、できあがった内装材を船に載せてはるばる日本へと送る。一方、日本では、宮内省内匠寮の技師が建物全体の設計を担い、職人たちが日本古来の高度な建築技術を発揮。こうして完成した邸宅は、まさに日仏共作の芸術作品であり、アール・デコを基調としながらも、随所に日本古来の文様も施されている。館内は天井の照明に加え、純白のカーテンからほのかに射し込む自然光が優しく鑑賞者を包み込む。窓の外に続く広大な緑は、芝庭と西洋庭園、そして日本庭園からなり、その中には鳩彦王自ら「光華」と命名した茶室が佇む。朝香宮夫妻の情熱から生まれたこの館は、和と洋が緩やかに融合する「唯一無二」のミュージアムだ。

お問い合わせ先

東京都庭園美術館(050-5541-8600)

https://www.teien-art-museum.ne.jp/

※掲載内容は、すべて2024年5月雑誌発売当時のデータです。

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